毎日まめご飯。

素人の料理好きによる料理メモ。免責事項:このレシピを参照することでもたらされるいかなる損害にも筆者は責任を負うことはありません。自己責任でご利用ください。

食材の「保存力」が料理のコツ

料理のコツを語れるほどの経験はないが、最近、実感として感じているのは、日々料理を作り続ける上で不可欠なのは食材の「保存力」である、ということだ。

「保存力」とは、ここでは、「店で買ってきた食材、あるいは食材を使用した後の残りを保存するスキル」を表す。例えば、人参を3本セットで買ってきて1/2本だけ使った。残った2本と1/2本をどう扱うか。また、豚バラ極薄切りを買ってきて、1/3だけ使った。残りをどう保存するか。長ねぎ3本セットを買ってきて、その日は使わなかった。どのように保存するか。

ちなみに、「いや、残るような買い方はやめよ?」とか「その日と翌日に全部使い切る」という主張については、ここではスルーさせてもらうことにする*1。もちろん、それが現実的に可能であり、かつ持続可能な環境にあるというのであれば、素晴らしいかもしれない。しかし多かれ少なかれ、素材の使い残しは確実に発生する。その時にいかに保存力を発揮できるかが、日々のQuolity of Cooking Lifeに確実に影響してくる。

にんじん、大根のような根菜類は、外に出しておくとすぐにだめになってしまう。そのまま冷蔵庫に放り込んでおいても、温度こそ低く保存に有利ではあるものの、湿度が低いためものすごい勢いで乾燥してしまう。そこで、キッチンペーパーを巻いて水に浸し、余分な水気をとり湿った状態でポリ袋に入れて冷蔵庫に入れる。大根は一本のままだと大きすぎるので、3〜4つ切りくらいにしてからそのように保存するのがよい。

ちょっと面倒臭いし、キッチンペーパーがもったいないと感じるかもしれないが、このやり方で保存するとそのまま放り込むのと比べると鮮度の保持期間が感覚的には10倍くらいになる。特に人参は、買った時のつやつやな状態がそのまま一週間維持されるので感動すら覚える。

豚肉の極薄切り、例えば下画像のような商品を購入した後で、この1/3だけ使った。残り2/3をどう保存するか?という問題。

https://www.life-netsuper.jp/common/parts/data/item/00261691200000.jpg

そのままラップして、あるいはポリ袋に入れて冷蔵庫もしくは冷凍庫に突っ込む、というのが普通かと思うが、私としては以下の手順がオススメ。

①ラップを広げる
②その上に一枚一枚豚肉を広げて並べる
③その上にラップを重ねて密封する
④折りたたんでファスナー付きポリ袋に入れて冷凍庫に入れる

まず、冷蔵庫による保存はあまりオススメできない。鮮度の落ち方が著しいからだ。つい先日買ったばかりだと思った肉も、冷蔵庫の中で数日経過すると変色し腐臭を放ち始める。翌日使うことが確実ではない限りは冷凍保存を勧めたい。

また、肉の薄切りをパックにいれたまま、あるいはポリ袋に入れて冷凍する場合、肉同士がくっついてしまうため、次に使う際に非常に分けづらくなる。レンジで解凍すると使った分の残りは再冷凍することになる(=味が落ちる)し、下手をするとまとめて火が入ってしまい、全部使う羽目になる。実際、「冷凍された素材を解凍して上手に使う」のは、別の立派なスキルの一つとも思える程に難易度が高い。

上で勧めた方法だと、肉同士がくっついていないため、軽く半解凍するだけで使いたい分だけ取り出すことができる。残りの肉も、完全解凍される前の状態で再び冷凍することができる。一枚一枚広げた状態で冷凍されているため、肉を切りやすい状態になっていることもポイント。一旦冷凍した肉でも、買ったばかりと同様に丁寧に調理することができるということだ。

 

自分は「保存力」の高スキルの持ち主というわけではなく、大半の食材については適切な保存方法をわきまえていない。日々が知らないことへの挑戦で、ネットで調べたり応用したりと試行錯誤の繰り返しだ。しかし、上手く保存できた食材は、まるでその日に買ってきたように新鮮さを保っており、当然、それは料理の味にダイレクトに反映されるということは知っている。

冷蔵庫の中のものをなんとか組み合わせて料理をでっち上げる日々において、保存力をつけることは、料理自体の腕前を上げずに料理の味を上げるスキルにほかならない。料理を「素材の味を引き出す作業」とみなせば、素材の理解が必須なのは当然の話で、素材の理解に「いかに保存するか」が含まれるのも当然だ。今後も食材への理解を深めつつよりよい料理を作れるよう精進したい。

*1:最悪なのは、例えば「にんじん1/2本とレシピにあったけど、残すのがいやだから1本丸ごと使う」といった類の主張だ。「全てを倍量にしてできる量を倍にする」ということであれば大して問題はないのだが、「にんじんだけを倍にする」というのはかなりのリスクを孕んでいる。これは料理の質を下げて保存の問題を回避しようとしている。これは、美味しく食べるためではなく保存を回避するために料理しているということを意味する。にんじんだけ倍量にすることに特に結果のクオリティに影響がないことを経験的に知っているのであればよいが。