毎日まめご飯。

素人の料理好きによる料理メモ。免責事項:このレシピを参照することでもたらされるいかなる損害にも筆者は責任を負うことはありません。自己責任でご利用ください。

四川料理に挑戦

台湾、中国、韓国、トルコ、タイ、ベトナムシンガポール、イタリア、フランス、ドイツ、イギリス?、ブラジル、メキシコ、アメリカ、ロシア、ジョージア、…などなど、これまで世界の様々な国の料理を食べたり作ったりしてきた。美味しさ以上に物珍しさやエスニック感、旅行に行くような気分を楽しんできたが、心の底から美味しい!と思えた料理にもたくさん出会えた。

台湾で飲んだ烏龍茶や魯肉飯、韓国で食べたキムチ、「松記鶏飯」で食べた肉骨茶、タイ料理屋で食べたトム・カー・ガイなどなど、鮮烈な印象を残して長年経っても忘れない味(体験)がある。また、自作であっても、トルコ料理のマントゥ、ベトナム料理のバインセオ、ケイジャン料理のジャンバラヤ、イギリスのフィッシュアンドチップス、韓国料理のビビンバ、台湾おでんのルーウェイ、タイ料理のプリッキン牛肉のチリインオイル炒め、タコス、ザワークラウトなど、我が家の定番となったような料理もたくさんある。

自分が各国の料理を試し続けているのは、そういう出会いもまた期待しているんだと思う。未熟な腕前では衝撃の味を生み出すには至らないが、料理を食べる以前の調理の過程から、それぞれの国の歴史や文化をほのかに感じさせてくれてたまらなく面白い。レストラン並では?と自画自賛できるような美味しいものもできあがることもあり、そういう時には自分の環境が本当に有り難いものだと思える。感謝です。

ただ、最近はややネタ切れ感を感じていた。志麻さんのレシピ本や、スイーツなど、料理自体のネタが切れることはないのだが、「試したことのない外国の料理」という観点ではそろそろ有名どころは一通り試してしまったかもしれない、今後は身近な料理をより美味しく作れるように腕を磨くフェーズかも、と考えていたのだが、そういえば「四川料理」をまともに意識して、しっかり材料を揃えて作ったことが殆どないことに気づいた。麻婆豆腐とか、半分日本の家庭料理化したような料理をレトルトで作ったことはあるが、四川料理のレシピを探して作ったのは唐辛子と鶏肉の炒めを作った一度きりで*1、それ以降は触れてなかった。

そこで、改めて「四川料理」を作ってみようと思った。

自分が住んでいる地域には、中国人が経営している(主に東京に住んでいる中国人のためにやっていると思われる)中華食材店がたくさんあるので、それぞれは小さな店だがかき集めれば豚足やなどの中華食材や中国のソフトドリンクや嗜好品まで、かなり幅広く入手できるというアドバンテージがある。

「泡椒(パオジャオ)」というのは、「泡辣椒(パオラージャオ)」のことで、発酵させた生唐辛子のことを言うらしい。1件目には1kg単位でしか販売がなく、2件目には瓶詰の塩漬唐辛子が売られていたのでそちらを購入。ただ、発酵している感じではないのでちょっと違う気がする。

「麻辣油(マーラーユ)」例えば↓これ。

近くの中華食材店には扱いがなかったようなので、花椒油と辣油を混ぜることで対応。それでいいのか?醤油は、以前同じ食材店で購入していた「生抽」を使用。鶏ガラスープは、有名な「味覇」を使用。

実際のレシピはというと、白身魚と豆腐を蒸して、それに別途作った香味油をかけるだけ、という独特なもの。香味油の方にエネルギーを費やしている印象で、これに似たものといえばサラダとか蒸し野菜くらいだろうか。

そして香味油は様々なスパイスや香味野菜の味と香りが辣油の中で一体化していて素晴らしい味わい。辣油は老干媽の玉ねぎ入りのものを使っているので旨味も抜群。これだけのパワーがあれば、素材はシンプル過ぎるくらいシンプルでも十分。なお、辛さは抑えるために豆板醤は控えめ(レシピに指定の1/3くらい)に使用。

味自体は抜群で、中国の長い歴史が生み出した料理(?)の力に改めて思い知った感がある。唐辛子や花椒の辛さと痺れはなかなかの刺激で、一度にそんなに食べれるものでもないかもしれないが、材料さえ揃っていれば案外手軽につくれるので引き続きいろいろ試してみたい。

*1:ほぼ失敗作で、自分にはまだ難しいと判断した