毎日まめご飯。

素人の料理好きによる料理メモ。免責事項:このレシピを参照することでもたらされるいかなる損害にも筆者は責任を負うことはありません。自己責任でご利用ください。

コンフィという調理法

『シビレシピ』には、「豚レバーのオイルコンフィ」というレシピも出てくる。え、めっちゃ西欧料理じゃんって思うけど、花椒油と唐辛子、にんにくで香りをつけたオイルで煮て、花椒油、麻辣油、醤油、にんにくを用いたタレをかけて戴くということで味付けは完全に四川料理となっている。

「コンフィ」という料理名/調理法は、昔からたまに耳にしていたし、食べたことも何度もあると思うのだが、自分では試したことはなかったし、なぜ油で煮るのか、という理由も全くわかっていなかった。水は100度までしか温度が上がらないけど、油は高温になるから、より高温で煮ることができるのが理由なのかな、となんとなく思っていたかもしれない。

しかし、調べてみると全くの勘違いで、コンフィというのは、参考記事1にもあるように「低温真空調理」だった。実際『シビレシピ』のコンフィも油の温度を70〜100度に保って30分調理するというものだ。そして、油を使う理由は、食材を空気・水に触れさせないようにして劣化を防ぐためであり、もともとは保存用の手法だったようだ。

コンフィの語源はフランスの「コンフィル(confire)」で、日本語では「保存する」という意味になります。(参考記事3より)

低温調理は最近流行っている調理法で、行き過ぎて安全性に問題があると炎上するケースもたびたび目にする。最近ではロバート馬場のローストビーフがプチ炎上していた(参考記事4)のが記憶に新しい。棒々鶏よだれ鶏も、沸騰した湯に鶏肉を入れたらすぐに火を消して、あとは湯の熱だけで火を通すことにより肉を柔らかく仕上げており、低温調理の一種である。

そういう意味では、コンフィというのはそこまで目新しい調理法ではないのかもしれない。しかも、オイルを用いるというアイデンティティまで、参考記事1によると必ずしも必要ではないとのこと。確かに単に低温調理で肉を柔らかく仕上げるだけが目的ならオイルは不要かもしれないが、もはや一般的には「コンフィ」とは呼ばれないかもしれない。ちなみに『シビレシピ』の豚レバーのコンフィの場合には、前述の通りスパイスの香りを移した香油を使っているのでオイルを使わない選択肢はなさそうだ。

最近、油の価格もどんどん上がっているので、できるだけ「省サラダ油」で作りたい。高々200mlのサラダ油をケチるのもどうかとは思うが、一旦香りをつけた50ml程度の油を少し冷まして、フリーザーバッグに流し込み、あとは炊飯器等で湯煎する、という手法はアリかもしれない。

例えばこんな感じ。

  1. 50mlの油にスパイス類を入れ弱火で熱する
  2. 油の温度が120度になったら、火を止めて豚レバーを入れる
  3. 油の温度が80度程度まで下がったら、豚レバーを油、スパイス類とともにフリーザーバッグに流し入れる。
  4. 鍋に水を入れ、沸騰させて火を消す。
  5. 4の鍋を90度程度まで冷まし、フリーザーバッグを入れて、極弱火で30分加熱し続ける。

(追記:このやり方を試してみたところ、いくつか弁えるべき注意点があったので記載しておく。まず、油は少なすぎるとフリーザーバッグに入れたとしても豚レバーに油が浸からないので、100ml程度は必要かと思われる。また、上記手順の4で使う湯煎用の鍋には、完全にフリーザーバッグが浸かるだけの水を入れておくこと。少なすぎると、フリーザーバッグ内の空気を水圧で押し出しにくい。比重的にもそこまでしっかり沈むものでもないので注意。)

コンフィについて調べていたら、樋口先生のサーモンのコンフィの記事(参考記事2)が出てきた。樋口先生はパクチーサラダのレシピで惚れ込んで、何冊か書籍も購入した。サーモンのコンフィはさらにぐっと温度が低く45度程度で調理しているようだが、これも油をフリーザーバッグに入れて湯煎するという手法で調理している。

ちなみにこのレシピだと油は最後に拭き取っており、調味料としての役割はほぼ放棄しているということだろうか。オリーブオイルを全く使わずに、ブライニング液だけで湯煎した場合には食味はどう変わってくるのかもちょっと気になるところ。ただ、スパイスの香りを移す香味油は、水では代用はできなさそう。油の分子は大きいので食材には染み込まないとのことだが、油は拭き取っても香りは付きそう。

アイリスオーヤマの低温調理器、ちょっと欲しくなってきたかも…。

参考記事

参考記事1参考記事2

参考記事3

参考記事4