毎日まめご飯。

素人の料理好きによる料理メモ。免責事項:このレシピを参照することでもたらされるいかなる損害にも筆者は責任を負うことはありません。自己責任でご利用ください。

ブールブランソースと乳化と学生時代の思い出

  1. エシャロット1個(40-50g)細かくアッシェする
  2. 白身魚に塩を振って脱水締め
  3. 白ワインビネガー40ml、白ワイン30mlを加えて煮詰める。お好みで白胡椒を加える
  4. 水分飛ばすまで煮詰め、弱火よりの中火にしてバター100gを3回に分けて撹拌しながら加える
  5. 濃度の調整は伸ばすときは水もしくは白ワイン
  6. 味見をして塩を少々加える
  7. シノワで濾す
  8. フライパンにオリーブオイルを引いて熱して皮目からしっかり焼き色をつける
  9. 裏返してバターを加え、アロゼしながら火を通す。
  10. 芯温確認して白胡椒を振る
  11. (ドレッセ)ソースを皿の上に広げ、その上にポワレした切り身を置く。

 

…って、ムズすぎなんですけど???まともに乳化しない。

反省点としては、最初かき混ぜるのに泡立て器を使わなかったこと(忘れてた)。また、冷えたバターということも軽視していた。だって常温だと乳化しにくいって、鍋の中めっちゃ熱いから…(言い訳)でも重要だったってことですね。

他のサイトを見てみると、曰く、バターを溶かす時には火は一番弱くする。溶け出す前にホイッパーでよく混ぜる。常温→鍋の中、ではなく、低温→鍋の中、という変化率が乳化において重要な要素なのかもしれない。

「乳化」という言葉に最初に触れたのは、確か大学生時代に見たペペロンチーノのレシピだった。言うまでもなく当時はパスタなんて苦手*1で、調理環境も最悪でコンロ一つしかおけないスペースと、シンクしかない「台所」で涙ぐましい努力でがんばっていた。それを思えば今は幸せだ。ともかく、ペペロンチーノにおいて「ニンニクと唐辛子を炒めたオリーブオイルとゆで汁をあわせてフライパンの上で乳化させる」のがなかなかできなくて、というか、どうなれば乳化と言えるのかもわからなくて、悶えていたように思う。当時は、ドレッシングの瓶を振った時に起こる現象もまた乳化であることを多分知らなかったんだと思う。でも、ブールブランソースを作ろうとしたときのこの「乳化しないんだけど?」という感覚は当時のものに非常に近い。

* * *

思い起こせば、当時はネットも出始めで、ネット上には一般人の生活に役立つ情報はあまりなかった。料理のレシピなんてまだまだ出てきていなかった。仮にあったとしても、Googleもなかった時代にはネットの片隅で細々と個人で運営していたホームページがあったに過ぎない。YouTubeもなく、情報強者になるためにはテレビ・ラジオ・雑誌・書籍から情報を取り入れなければならなかった。料理のような技術を学ぶのは、実際バイト先や実家などで、直接他人がやっている姿を見て真似るか、他人から教えてもらうしかなかった。当時と比べて、YouTubeがありネットが異常に肥大した現代においては、料理のハードルは著しく低下したと思う。いいことだ。

さらに昔に思いを馳せると、高校時代にも自分は料理には関心が高かった。読売新聞についてきたレシピの小冊子を親が集めていて、それをよく読んでいた。当時は自分もカロリーを気にしていた。ローカーボなどという言葉などない時代だ。その時に見たオイルソース系のパスタのレシピに、オリーブオイルを一人前60ml使っていて、え、それだけで540kcalなんだけど…?と目を疑った記憶がある。懐かしい。今は1ミリも気にせず、油をバシャバシャ使う。まあ最近は油高いから、ケチってたりもするけど*2

* * *

話を戻そう。ドレッシングの瓶を振って、とろっとなるイメージをフライパンの上で実現させればよい。しかし、考えてみれば「常温ではほぼ固体であるバターを使って乳化させる」というのはちょっと面白い(しかもバターって、もう既に乳なのでは)。ドレッシングの乳化は簡単だが、それは冷蔵庫でよく冷えていたからなのかもしれない。乳化するためには液体の状態の油でなければならず、バターはそもそも液体にするためにはそれなりに高温でなければならない。「溶け出した瞬間のまだ冷たいバターを捉えて撹拌する」必要がある。そこにこのソースの難しさがあるのかもしれない。ただ、これはあくまで「基本中の基本」。まずはブールブランソースを作れるようにならないと話が始まらない。がんばろう。

 

 

*1:つい最近まで苦手意識が抜けなかった

*2:今の方が気にした方がいい気もするけど