毎日まめご飯。

素人の料理好きによる料理メモ。免責事項:このレシピを参照することでもたらされるいかなる損害にも筆者は責任を負うことはありません。自己責任でご利用ください。

ワンパンパスタ・洗い物

ワンパンパスタの難しさ。

麺を普通に茹でるときには、その茹で汁はかなりしょっぱくする。

そうすることで麺にしっかり味がつき、旨味とコクが強いソースの味を下から支えてくれる。しかし、ワンパンでやってソースでパスタを茹でる場合には、ソースをそこまで塩辛くするわけにもいかない。そんなソースで茹でたパスタはメリハリがなくボケた印象になってしまう。そこに難しさがあると思う。

麺をソースで茹でるパターンと、茹で汁を全部パスタに吸わせ、そこから同じ鍋で調理をするパターンとがあると思うが、後者の方が確実かもしれない。

洗い物について

オプチャで見かけたコメントだが納得。

洗い物下手な奴はマジで仕事出来ないです。

洗い物が早くて綺麗な人間は何やらせても大抵うまいことやります。

確かに洗い物というのは地味な作業の繰り返しで退屈だが、工夫することで効率が大きく変わるし、美味しく料理を作り、食べるために、作業の丁寧さが大きく反映する仕事といえる。そんな退屈な作業をモチベーション高くやれる人は間違いなく有能な人だ。

自分はまだそこまでモチベーション高くはできないが、料理の道具であるという意識は強いし、「洗い物が増えるから皿/別の道具を使いたくない」という省エネ思考は、美味しい料理を作る上では天敵だと思っている。洗い物は料理のためにするもので、洗い物のために料理をするわけではないのだ。だから無駄に使うのはともかく、躊躇いなく皿や新しい道具を使うようにしている。使ってなんぼなのだ。洗い物のスキルが高いと、その辺のハードルは著しく下がると言える。そういう意味でも、料理人の最初の修行が皿洗いだとすればそれは極めて理に適っていると言える。洗い物ができないような人は料理をするにはまだ早いということだ。

自作ラード、葱油、蝦油

麻辣油に衝撃を受けて以来、フレーバーオイルを自作することに味を占めていろいろ試している。

ラード

ラードは豚の脂身から脂を抽出するだけなのだが、廃棄すべきものを有効活用できるだけでも素晴らしい。大して手間もかからず、市販のものより風味良く感じられるものだ。

(アーカイブ)

葱油

葱油は市販のラード(買ってからあまり使わず冷蔵庫で眠っていたもの)を使って作ってみた。長ねぎ、万能ねぎ、生姜、八角、ラード。最もシンプルなレシピは、長ねぎと油だけ。にんにくを使うものもある。

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これを使ったチャーハン、確かに美味しい。

蝦油

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これはショートでみかけて真似してみたいと思って作った。蝦の殻は、残念ながら頭がついていないバナメイエビの殻を冷凍してためておいたものを使った。

やはり頭のない殻だけだと、出し殻はたいして美味しくない。えび油自体は悪くない。マルチャン正麺はノンフライ麺なので、油揚げ麺よりもだいぶあっさりしていて物足りなさを感じていたのだが、動画のマネをしてスープに葱油と蝦油を追加してみたら全然印象が変わった。

どれも麻辣油ほどの衝撃はないものの、中華料理の奥深さと味わい深さを改めて教えられるレシピだと感じた。

昨年の振り返り

思えばGeorge ジョージさんとの「出会い」が2023年の料理生活においては一番の事件だった。

ステーキの焼き方をきっかけに、彼の紹介した料理をいくつ作っただろうか。ステーキの様々なソースから、フレンチのソースの本も購入することになろうとは、2022年以前であれば想像もしていなかった。

レシピや盛り付けの美しさだけでなく、調理器具や素材を扱うその丁寧さから、フレンチの奥深さの一端を垣間見た気がする。それは自分にとっては衝撃的な体験であったし、それはフレンチに留まらず料理一般に通じるものだったと感じる。事実、ジョージさんのレシピを学んでから、ジョージさんの紹介するレシピ以外に対しても接し方が変わったと思うのだ。例えば鶏もも肉の掃除、肉や魚の脱水処理、玉ねぎやニンニクのみじん切りの精密さ。塩の重要性、熱で旨味を引き出すなどの考え方、また魚醤の意外な活用方法など。また、素材における「水」の意味、調理器具の扱い方、美しいキッチンの使い方なども、自分の料理に対するスタンスに大きな影響を及ぼした。

ジョージさんの料理動画は、調理器具を取り出すところから動画で映してくれているので、その辺りも結果的に非常に参考になってしまうのである。これまではフライパンを重ねて棚にしまうときにはそのまま重ねていたが、ジョージさんの動画を見てからはクッキングペーパーを間に挟んで、表面が直接触れないように格納するようにしている。フッ素加工のフライパンは表面に傷がつくと加速度的に痛みが進んでしまうので、このような丁寧な扱い方によって長持ちするし、傷がない状態で扱えると調理効率も清掃効率も高いまま使い続けることができるのだ。

また、脱水の重要性。肉を焼く際には必ず塩を振ってしばらくおき、水分を拭き取ってから焼き始めている。魚を焼くときには、特に臭みを抜く意味でもこの方法は多くの料理人が実践していると思うのだが、肉を焼くときには必ずしもこの脱水工程は行わないケースが多いと思う。しかしジョージさんは必ずこの工程を欠かさない。これまでは一切考えることもなかった「素材が含む水分の意味」について思いを致すきっかけとなった。直感的には、水分が多い方がジューシーで美味しい、と思いがちだ。「肉汁」という言葉も、水分が豊富な方が美味しいという印象に繋がりやすいと感じる。また、野菜や果物は新鮮で水分が豊富な方が美味しい。

しかし、それは必ずしも一般的に「素材に水分が含まれていた方が調理にとって/食味にとって都合がよい」ことを意味しない。素材に含まれる水分は、どちらかというとネガティブであると今では感じている。料理人は、素材がもともと備えている水分を調理によってうまいこと美味しさにつなげていく必要があるが、水分があると加熱にも時間がかかるし、また旨味は水分によって希釈されてしまうために、水分は少ない方が都合がよいのである。もちろん完全に乾燥してしまうと固くなってしまうのだが、むしろある程度乾燥している方が扱いやすく、美味しく仕上げやすい。干物、ドライフルーツなどはよい例だろう。鶏もも肉の下ごしらえで、塩を振って脱水した上に湿度の低い冷蔵庫に入れてある程度乾かしてから焼いているジョージさんの動画もある。

それを象徴しているのは、フレンチのソースの作り方だろう。エシャロットのみじん切りはスュエし、ワイン、フォンドボーは徹底的に煮詰めて水分を飛ばす。トマト缶はまず缶汁を切り、さらに煮詰めて半分以上の水分を飛ばす。ソースとはエッセンスであり、素材に含まれたエッセンスを可能な限り引き出そうとする過程がソース作りなのである。そのような過程に触れてしまえば、当然他の素材に関しても、同様のスタンスで臨むことになるだろう。

もっとも、知識は多少ついたとは思うのだが、スキルは全然ダメなままなので、こればかりは日々努力する他ない。少なくとも方向性は確実に整えてもらえたと確信している。

よく作った料理としては、ステーキ、ポークソテー、魚のポワレやムニエル、ワンパンパスタ、コンフィ。フレンチドレッシング、ソースボルドレーズ、トマトソース。付け合せとしての野菜のエチュベ。

トマト缶をよく使った。そして、バターの消費が格段に増えた。2022年以前はバターなんてそんなに使わなかった。この保存容器を購入した(配偶者が購入してくれた)のも大きかった。これは非常に便利で、小型のバターナイフも一緒に格納して冷蔵庫に入れていた。使いやすさが増すと自然に使用頻度も上がる。

トマト缶や紙パックのトマトは、amazonでまとめ買いしても全然安くないので、スーパーで買うのがよい*1

それにしても、この一年で食料品の価格が一気に上がった。油、乳製品の値上げ幅が半端なかった。卵も鳥インフルか何かで一気に上がってなかなか下がらなかった(最近ようやく下がってきた…生産者の努力に頭が上がらない)。

ブログの更新数は、開始以来最高になった。ただ、年の前半から忙しかったプライベートに加え、後半は仕事も断然忙しくなったので料理に割く時間は否応なしに下がってしまい、特に後半は日々の料理に新しい工夫を加えることができなくなってきた。初めての食材や、調理方法にチャレンジすることも減ってきてる気がする。そういえば、一昨年は、「発酵」関連が多かった。酸菜、ザワークラウト、キムチ、粕漬など。キムチも、よくもまあ頑張って作ったものだと思う。初めて作ったときには美味しくできたことに驚いたものだ*2

そんな中で、最近の新しい取り組みとしては「醤油肉」、そして豚の脂身からのラード作りだろうか。マリネした肉を外に干す、というプロセスが自分の中では初めてだったが、季節的な要因もあっただろうが案外何も問題なくできたのはよかったし、ちょっと癖になりそう。ラード作りは単に脂身を煮るというただそれだけだが、大量にあった脂身を大した労力もなく無駄にしないで済んだのはよかった。ただ出し殻となった屑肉の活用法はちょっとよくわからない。

*1:車で行けば、多少まとめ買いしても問題なく運べるのがよい

*2:が、韓国から輸入しているキムチ(500gで300円しない安さ!)を後で食べて美味しさにビビったのでそれ以来作る気にならない

南部地方の煮しめ

南部地方の煮しめの作り方を教わった。

材料:鶏ガラ、ネギ、生姜、にんにく、煮干し、昆布、干し椎茸、早煮昆布、鶏肉、山菜、人参、牛蒡、蓮根、焼豆腐、厚揚げ、こんにゃく、ちくわ、さつま揚げ、油揚げ、八方汁、日本酒

  1. 鶏ガラ、煮干し、昆布、干し椎茸の戻し汁で出汁をとる
  2. 昆布巻、鶏肉、山菜(ふき、わらび、きのこ)、人参、牛蒡、蓮根、焼豆腐、厚揚げ、こんにゃく、ちくわ、さつま揚げ、油揚げを入れて煮る
  3. 煮えてきたら八方汁、日本酒で味付けして煮締める。

とのこと。

鶏ガラスープは、下記ページを参考に、ネギ・生姜・にんにくと一緒に煮込んで作る。

(アーカイブ)

脂とタンパク質が溶け込んだ黄金色のスープは、冷蔵庫で保存して脂が固まった後でも美味しそうな香りがしていた。スープの表面に浮いた、1cm以上の厚みを持った脂を除くとスープは煮こごりのようにジェル状になっている。

煮干し出汁は、昆布と一緒に水出しで一晩漬け込んでとる(材料:水1リットル、昆布5g、煮干し30g、塩ひとつまみ)。煮干しは頭とはらわたを除いて、昆布・塩と一緒にポットにいれて水を注いで冷蔵庫に入れ、一晩置く。

干し椎茸は容器に入れて水を注いで冷蔵庫に入れて一晩置いておく。

全部あわせて2リットル程度のスープになるので、これらを全部使って煮しめを作る。

以下は自分なりに解釈したレシピ。

  1. こんにゃく(1/2個)は三角形に切って隠し包丁を入れておき、下茹でしてアクを除いておく。
  2. 牛蒡(1/2本)はたわしで擦り洗いして皮を除き、乱切りにする。人参(1本)は皮をむいて乱切りにする。蓮根は皮をむいて、切り口が半円形になるように厚さ1cm程度に切る。
  3. 煮干しと昆布の合わせ出汁、干し椎茸の戻し汁(合わせて1.5リットル程度)を鍋に入れ、1,2を入れて火にかける。
  4. 鶏肉は一口大に切る。早煮昆布は水で戻し、昆布巻を作っておく。山菜は4cm程度の長さに切っておく。焼き豆腐と厚揚げは一口大に切る。ちくわは1cm幅に斜め切りにする。さつま揚げは一口大にそぎ切りにする。
  5. 沸騰したら、鶏ガラスープを加え、火を弱め、弱めの中火にして4を加えて煮る。
  6. ある程度柔らかくなったら、味を見て、日本酒と八方汁をそれぞれ加える。八方汁はかなり塩味が強いので、スープの味を見ながら少しずつ加えていき、最大でも70ml程度に抑えておく。
  7. 弱めの中火で煮る。

3の時点で、素材と出汁の強く素晴らしい香りが漂ってくる。ニンニクや脂や肉が一切入っていないとは思えないほどのパンチのある香りで、大げさにいえばタイのグリーンカレーを作っているかと見紛うほどだ。やはり煮干し、干し椎茸、牛蒡、人参といった香りの強い素材が効いているんだと思うが、素材の力と、それを十分に引き出す和食の知恵の凄さを感じずにはいられない。

なお、出汁や素材の量の割合については完全に目分量というか、テキトーにやっているのだが、これは言うまでもなく大きく味に影響してくる。鶏ガラスープの割合はどの程度なのかはちょっと確認してみたいと思う。

豚もも肉で醤油肉を作る/パスタでまた失敗/鍋旨い

豚もも肉で醤油肉

これも「シビレシピ」に載っていたレシピ。

一日以上冷蔵庫でマリネ→天日干しでいけるらしいのでやってみた。最初は実験的に、ブロック肉ではなくソテーにするには形がバラバラの切れ端肉を使ってみた。

ちょうど季節的には晴れの日が多く乾燥している&虫が少ないということで、日照時間は少ないが悪くない。

グリルで焼くと中華風の美味しいももハム。一方で、炒めると普通に脂が出てしっかりとした「肉」感がある。

当たり前だが、筋は固いので、最初から除いておくとよい。

1.5cmくらいのサイコロ切りにして、チャーハンの具材にするのもよい。その場合は事前に炒めて取り出しておき、ご飯と一緒に炒める。

 

パスタでまた失敗

平麺でゆで時間が足りなかった。そんな失敗を永遠に繰り返す。

 

鍋旨い

しょうゆベースのせり鍋。日本人は好きな味。

鶏ガラベースの水炊き。これもシンプルに旨い。

味噌ベースのあんこう鍋。あん肝は半量下ごしらえの後みじん切りにし、味噌と炒めてスープを加える。半量は料理酒とレンチンして具材にする。あんこうの身は沸騰した湯で湯通ししてから冷水にさらして洗い、一口大に切って具材にする。

白菜は柔らかい葉と固い白い部分を分けて、葉はざく切り、白い部分は数ミリの細切りにする。まず白菜、人参、ねぎ、きのこなどの硬めの具をしっかり茹でて柔らかくし、それからごく弱火にして鶏もも肉を投入し、10分ゆっくり茹でる。その後、白菜の葉や水菜、春菊などのすぐに火が通る素材を加えて軽く火を通して出来上がり。

 

 

久々のコルドン・ブルー/いしるを使った赤ワインソース

久々のコルドン・ブルー

安いむね肉が家計の助けになります。ということで久々のコルドン・ブルーを作ってみました。分厚いむね肉は叩いて薄くしないと火が入らないので注意。それでも分厚いままの場合は、薄く切った方がよいかも。

衣をつけて揚げるので、それなりに手間はかかるけど美味しくできたのでよしとしたい。

いしるを使った赤ワインソース

(アーカイブ)

上記レシピを参考に、フォンドボーの代わりにいしる出汁を使って赤ワインソースを作ってみた。半信半疑だったのだが、普通に美味しかった。フォンドボーはかなり高いので、いしる出汁を使えば*1コストパフォーマンスはかなり向上する。ちなみに使ったのはこちら↓

(アーカイブ)

これをワイン200〜300mlに対して大さじ2程度入れるので、70円程度だろうか。フォンドボーだと普通に300円かかるので全然違う。風味も全然違うだろう、と思うのだけど、これが案外そこまで大幅に違うわけでもない。魚醤というとナンプラーやヌクマムみたいな、非常にクセの強い臭いを連想する人は少なくないと思うが、日本の魚醤は澄んでいて何故かいい香りがする。フォンドボーの獣臭さとは対極的で、それぞれ日本と西洋を象徴するような調味料だと感じる。

赤ワインソースのレシピ

  1. 玉ねぎ1/4個をみじん切りにし、フライパンを弱火で熱し、バターを入れて玉ねぎを弱火で炒めて玉ねぎの水分で煮詰める。※ここで、事前に玉ねぎの水分を抜かずに玉ねぎ自体の水分で煮詰めるように炒める(スュエする)必要がある。玉ねぎの水分を抜いてから火にかけると、すぐに焦げてしまう。
  2. 適度に煮詰まったら赤ワイン300mlを注ぎ、弱火にかけ、ブーケガルニを入れて水分がほぼなくなるまで煮詰める。※ブーケガルニがなければローリエだけでも。
  3. いしる出汁大さじ2を入れ、弱火で水分を飛ばす。
  4. ザルで玉ねぎを濾しとって再度火にかけ、沸騰したらバターを入れてよく混ぜる。
  5. 塩、胡椒で味を調える。

ソース・ボルドレーズのレシピを参考にしています。

玉ねぎと赤ワインをじっくり煮込んで、9割方の水分を飛ばすことで濃厚な味が生まれる。これにいしるの旨味とバターの油分を加えることでソースが完成する。

赤ワインとシーフードの組み合わせというのが一見意外だが、全く違和感なく仕上がるのでお試しあれ。

 

 

*1:もっとも、こちらもそこまで安くはないが

まだカルボナーラ苦手

まだカルボナーラ苦手

カルボナーラも相当回数作ってきていると思うが、出来上がりが見本なしの我流になると上達もしない。全卵を使うとシャバシャバなソースになってしまう。で、配偶者が熱を加えたらどうなるか、と言ったので、食べている途中にフライパンで弱火で熱してみたところ、いい感じのソースができあがった(笑)

単純に加熱が足りなかったのだが、加熱しすぎるとボソボソの卵炒めパスタになってしまうのを嫌って加熱することにだいぶ抵抗を覚えていたが、多少火が入りすぎても、入らなさすぎよりはマシだという気がする。

 

カルディの八角炒飯

炒飯用の合わせ調味料。五香粉を思わせる香り、と思ったら八角だけでなくシナモンとクローブも含まれていた。いろんな旨味成分が含まれているとはいえ、ひき肉を具材にしても、やはり野菜を全く入れないのは見かけてきにも味的にもちょっと物足りない。パクチーやネギ的なものはやはり必要。多分エシャロットも相性よいはず。

ちなみにケイジャンスパイスに漬け込んだ鶏皮を焼いたものも具材として入れてみたら、全く存在感がなくなったのでよろしくなかったようだ。