毎日まめご飯。

素人の料理好きによるレシピ紹介と、料理についての考察/料理エッセイ。免責事項:本ブログのレシピはあくまで自己責任でご利用ください。

魅惑のハラペーニョ

バインミーの具材にハラペーニョを使うと美味しいとレシピにあったので、今回産直サイトを通じて、愛知のわいわいファーム(今村元洋さん)のハラペーニョを購入してみました。

届いたのは丸々つやつやの可愛いハラペーニョ。

届いたハラペーニョ12本

こんなかわいい唐辛子があったんだ。これは一目惚れしてしまったかもしれない。
唐辛子属の野菜は、辛さゼロのピーマンでさえ結構いかつい形をしてるし、その辛さの印象通り鋭角的な形をしているものが多いですが、ハラペーニョは例外的に丸々してます。そして非常に肉厚。唐辛子には様々なサイズと果肉の厚さがありますが、ハラペーニョはかなり肉厚の部類に入りそうです。

さっそく4個ずつ使って、ピクルス、ソース、塩麹ソースの3種類を作ってみました。ピクルスは厚めの輪切りに。切り口が真円なのもかわいい😍。

ピクルスとソース

ピクルスとソースは加熱するため、鮮やかな緑色は消えてくすんだ黄土色になってしまうのが残念ですが、塩麹ソースの方は単に細かく潰して塩麹と酢と合わせるだけなので緑が残って嬉しい。

塩麹ソース。すり潰した生ハラペーニョににんにくと塩麹を加えました

参考にしたレシピはこちら。
koizumipress.comアーカイブ
www.sbfoods.co.jp
cookpad.com

ハラペーニョはワタと種も除かずそのまま使うケースが多いようで、ピクルスもワタと種ごと輪切りにしたものをそのまま使うようです。この輪切りのビジュアルはハラペーニョのアイコンという感じですね。

Gemini AIで画像生成


さっそくバインミーにピクルスを挟んだりソースをチキンカツにかけて食べてみましたが、美味しい!!やはり採りたての作りたては爽やかさと香りの立体感が段違い。太陽の恵みを感じます。唐辛子独特の旨味に、程よい辛さ。ハラペーニョは「野菜として食べられる唐辛子」ということと理解しました。ピーマンみたいな青臭さはないので、案外、人を選ばない唐辛子かなとも思いました。

おすすめはハラペーニョ・ポッパー
種を取り除いてクリームチーズと挽き肉を詰めて
パン粉をつけて揚げて食べると絶品です!

使い切ってしまった後に、このオススメに気付きました😂 気になりすぎる…!
kyokosbackyard.comアーカイブ

うーん、送料もあるからちょっと割高ではあるんだけど、また買ってしまおうかな…。

麻辣豆腐


久々に麻辣豆腐を作ってみたが、しみじみ美味過ぎる(僕の微妙な料理写真で失礼します)。ピーシェン豆瓣醤の奥深い辛味、旨味、複雑なコク、絶妙な食感と、花椒の刺激と香りの華やかな競演は、もはや芸術の域。

最近、あまりにも強烈な個性と香りを持つ南国独特の素材を、一見朴訥に見えてその実繊細な方法で統合し絶品の料理に仕上げるタイ料理という技術と形式とに惚れ込んでいるのだが、素材の選択肢の面で圧倒的に恵まれていたアドバンテージはあったにせよ中華の技術の洗練は軽やかにその上を行く。麻辣豆腐自体の歴史はそこまで長くはないようだが、レシピ誕生に至るまでの間にーーまた誕生から今までの間に、一体幾人の味覚の天才達がこのレシピを練り上げていったのだろうか、と思いを馳せてしまう。

レシピがいかに優れていても、家庭料理である以上調理技術がボトルネックになることはもうどうしようもないのだが、高い完成度を誇る醤を入手できれば*1、一見それっぽいものは専門的な技術がなくても再現でき、その中華料理の芸術の高みを自宅の狭いキッチンで垣間見ることができる。現代に生きる我々の僥倖だと思う。

最近Xで、麻婆豆腐をラーメンに載せるのは絶対に許せないという中国人?の投稿の日本人との価値観のギャップが話題になった。

上記のように洗練の極みとも言える麻辣豆腐を、無造作に汁物の上に載せてしまう野暮さは「上等な料理にハチミツをブチまけるが如き思想」と怒られてもやむなしかもしれない。そして、我々にとって「麻婆豆腐」といえば「◯美屋」や「C◯◯kD◯」の合わせ調味料のイメージが強く、カレーやハンバーグ同様、カジュアルな家庭料理のひとつに過ぎなかった。和食において唐辛子は積極的に使われてきたものではなく、我々の唐辛子の使い方は、四川料理のような「唐辛子の達人」の前では児戯に等しく、(僕自身もやってきたように)唐辛子の辛味をいかにマイルドにするかという方向か、あるいは安全な刺激物として極端な激辛化など、エンタメ消費という方向かの両極端な利用しかしてこなかった。花椒も同様で、日本の家庭料理は近年に至るまでこの魅惑のスパイスを唐辛子以上にスルーしていた。そういう文脈の中で、我々は本来の麻辣豆腐の魅力を知り得なかったと思う。

最近はガチ中華の流行で、身近に本場の中華を味わえる環境が整ってきて、例えば「陳家私菜」のようなガチ中華のチェーン店で麻婆豆腐/中華料理/唐辛子の認識が変わる機会が得られるようになってきている。中国や東南アジアのように日本に唐辛子が定着する可能性は高くないと思うが、カレーがレトルトであっても今や本場のインドカレーから欧風カレーまで本格派の味が提供されるようになっていることを考えると、本場の味に近い、グレードアップした麻婆豆腐が食卓に浸透するのは時間の問題だろう。

*1:しかも最近はガチ中華の流行や都市圏における中華食材店の林立で、その入手難易度はぐっと下がっている

そーめんチャンプルーを作るには「レンジでパスタ」を使うと麺が炒めやすくなる

そうめんチャンプルーを作る際には一旦そうめんを茹でてから野菜と炒め合わせるのだが、その際にそうめんがくっつきやすく炒めるのが非常に大変だった。
しかし、そうめんを茹でるために「レンジでパスタ*1」を使ってみたところ、なぜか出来上がった麺がサラサラになり別物のように炒めやすくなったのだ。
これが以前、経験的に学んだこと(で、このブログにも書いていたと思ったのだがどうも見つからない・・・)だが、どうやらその仕掛けは「電子レンジによる加熱で小麦タンパク中のシステインが失活し、グルテンが形成されなくなった」ということらしい。



小麦粉のタンパク質は水と結合してグルテンと呼ばれる粘性と弾性を併せ持つ物質になり、小麦粉食品の食感に大きな影響を与える。

 パンや麺を作る時には、できるだけグルテンが形成されるように製造法を工夫するのであるが、逆にグルテンが形成されないようにする食品もある。その代表例が天ぷらの衣である。グルテンが形成されるように衣液を作り、天ぷらを揚げると、ボテッとした食感になり、天ぷらとしては失敗作ということになる。

グルテンの活性サイトであるシステインをあらかじめ失活させることを目的として、小麦粉を乾燥した状態で、電子レンジを用いて熱処理することを試みた。100 g程度の小麦粉を500 Wの電子レンジで1,2分熱処理するだけで、小麦タンパク質中のシステインは有意に失活し、冷やした水を使わなくても、しっかり混ぜても、さらには作り置きしてもカラッとした衣の天ぷらができることを確認した。

www.kogakuin-applchem.jp

「レンジでパスタ」を上手に使うのは案外難しく、下手をするとそうめんが束になって固まってしまったり、茹でムラがでて美味しくなくなる。お湯の量を工夫したり、レンジで加熱中に一度かき混ぜたりするなど、工夫が必要なのだが、上手いこと活用できればこういった副次的なメリットも得られる。そうめんチャンプルーを作りたい人でレンジでパスタをお持ちの方は、ぜひ一度試してみてください。

石臼、奥が深いかも

石臼の難しさと面白さ

どんな世界でも突き詰めると奥が深く、細部に神が宿ることを実感させられる。タイ料理に使う石臼。一見素材を潰すだけのごくシンプルな調理器具に見えて、使えば使うほどに、案外奥が深いことを実感している。タイ食材店で購入してから何年か経つが、四川料理に使う花椒を潰したり、インド料理でシナモンをパウダー化するのに使うなど、主に乾燥スパイスをパウダーにするのに使うことが多く、案外本格的に石臼オンリーで複数の食材を合わせて潰すことは少なかった。今回改めてグリーンカレーペースト用に何度かがっつりペースト材料をペーストにするのに使ってみて、改めてこの朴訥な道具の難しさと面白さを認識させられることになった。

石臼の使い方

解説動画を見るとテーブルの上におき、左手を画像のように石臼の上の方に添えて使う感じらしい。ガチ本場だと石臼の下に特にタオルや敷物は置いていないようだ。テーブルが日本のものとはだいぶ違うのか、あるいは力の入れ方が違うのか。普通にやろうとするとテーブルに衝撃が伝わりすぎて音やテーブルに対するダメージが気になる。テーブルの上でもうるさくなり過ぎない程度の力で使うのがよいのかな。僕は床で下に丈夫なタオルを敷いて使っている。それくらい念を入れないと不安。

YouTubeチャンネル「タイの台所」クロックヒン 取り扱い方〜基本編〜 より(https://www.youtube.com/watch?v=P7BghcvToYE

www.youtube.com


素材が原型がある間は、杵の重さを利用して落とすように搗いて素材を潰していく。力を入れて杵を素材に押しつけて潰す、というのは別に間違ってないとは思うが、力を入れると疲れるので、力は適度に抜いて何度も杵を落として杵の自重を利用して潰せる。臼に入れる素材の量が少ないと臼と杵がぶつかってキン!という結構耳障りな音が響いて不快なので、ご近所トラブルを避けるようになるべくこの音を出さないように使いたくなるが、実際どのくらい周りに聞こえているのかは気になるところ。
また、潰していると石臼の壁の方に材料が付着して効率が悪くなるので、適当なタイミングで柔らかいヘラのようなもので壁についた素材を落としながら潰すとよい。

複数の材料を入れる順番

生唐辛子は石臼で潰すことが多い素材なのだが、生唐辛子を単独で石臼で潰そうとするとなかなか上手くいかない。まず、水分が多過ぎる。最初に適当に刻んでいたとしても、潰しているうちに水分が出てきて、潰す度に水分が飛び散って厄介。更に、水が緩衝材的に機能して、潰す力が唐辛子の身の組織にダイレクトに伝わらなくなり効率が悪化する。では唐辛子は乾燥を使うのがよいか、というとそういうことではない。唐辛子を効率よく潰すためには、事前に/もしくは同時に、乾燥した素材/もしくはパウダー状の素材と一緒に潰すべきなのだ。それによって、パウダーが水分を吸ってゲル状になり、杵の力が分散されずに素材に伝わるようになる。また、水分を含んだパウダーはクレンザーにおける研磨剤のように機能していると思う。上記動画でも砂糖を入れることで水分を吸って潰しやすくなる旨の説明をしていたし、以前イエローカレーペーストを作ったときに、既にこの独特の石臼の性質を体感していた。

最初は1cmくらいに刻んだレモングラス2本分、細かくしたこぶみかんの葉、にんにく大きめのみじん切り、ホムデン(エシャロット)のみじん切りだけを石臼でゴリゴリしていたのだが、どうも上手いこと潰れてくれないので粉末唐辛子やコリアンダーパウダー、クミンパウダーも加えてみたところ、その方がうまいことまとまって潰しやすそうだった。

複数の素材間の相互作用が重要という点。つまり、石臼の挙動は素材の組み合わせによって変わる=その可能性は素材の種類の数に対して指数関数的に増加することになる。必然的に、熟練者と初心者のアウトプットは著しく異なるということだろう。

前に、カレーペーストをペーストベースとハーブペーストに分けて作るのがいいのでは?という素人アイデアを思いついたことがあったが、この場合ハーブペースト(ガランガル、レモングラスを潰したもの)2種類だけの素材で上手く潰し切ることができるのかというのはやや疑問に思えてくる。基本的には素材が多い程により潰しやすい印象なので、分けることによるメリット以上に、全て一緒に石臼に入れてペースト化してしまう方がメリットが大きい可能性もある*1

ミキサーとの違い

ミキサーともっとも大きな違いは、ミキサーは「切る」道具であるのに対し、石臼は「叩く」「潰す」「擂る」道具である点だ。ミキサーは素材を「細かく切断する」が、石臼は素材を「変形する」。用途としてはよく似ているし区別なく使われることもあると思うが、この違いが料理の味や食感に及ぼす影響は決して無視できないだろう。つまり本質的にはこの2つの道具は代替できない。タイ料理では、ハーブやスパイスを石臼で潰すが、恐らく素材を小さく砕く以上に重要なのは素材の細胞壁を破壊することで、それによってハーブやスパイスの持つ香りをより引き出すことができる。例えば、レゴブロックで作られた立体をばらばらにすることを考えよう。ミキサー的な細分化であれば、立体の形状は残らず細かくなるが、個々のレゴブロックそのものの形は維持される。香りがブロックの中に閉じ込められているとしたら、ミキサー的な細分化は必ずしも香りを引き出さないということになる。一方で、個別のブロックまで潰されるのが石臼の破壊的変形だ。こうすることで、香りが十分に解放されたペーストが出来上がる。ミキサーで作ったペーストと石臼で作ったペーストは、見た目は似ていても非なるものかもしれない。

さらに、利用する上での大きな違いが、効率よく素材を切り刻むためにミキサーには液体が必要になるということだ。日本語で書かれたタイカレーペーストのレシピに「水100ml」とあったが、タイのレシピには水は含まれていない。今思うとこのレシピはミキサーを想定しており、素材ではなくミキサーの媒質としての水であった。水分を含むと当然ペーストを使う量が微妙に変わってくる。ミキサーと石臼は本質的に代替できないと書いたが、実際水分もしくは油分が十分にないとミキサーできないという点で実用的にも異なってくる。

*1:追記(26/9/2):2種類だけではなく、コリアンダーパウダーやこぶみかんの葉も追加して潰したところ見事にペースト化できました。またメリットは決して小さくないという印象

冷蔵庫の使い方を見直します/バインミー

これまでは、作りたいもの、食べたいものを後先考えずに購入していたので、冷蔵庫に使われない素材が停滞することになった。今後は、冷蔵庫にあるものを優先的に料理に使い、冷蔵庫の不良在庫を少しでも減らしていく方向で料理を作っていくことにします。

…と言ったら、「当たり前だ」と言われました😂 そうですね。
一応、それなりに工夫はしてたつもりですがちょっと「「作りたいもの」を欲望のままに買ってしまう」という傾向が強かったことは否めない。冷蔵庫の中にある素材をうまく活用するのも料理担当の務めと思う。賢く管理していきます。

バインミー

冷蔵庫の中に凍った豚もも肉のブロックがあったので、レモングラスポークを仕込んで久しぶりにバインミーを作ってみた。
www.kyounoryouri.jpアーカイブ

いやー、バインミー美味いですね。大根と人参のなますとバゲットを合わせるという意外性に驚きますが、なますの酸味がほんとにいい味出してます。レモングラスポークとパクチーの組み合わせも最高。サンドイッチやハンバーガーとは全く別物の独自の美味しさです。チリソースとナンプラー(ヌックマムという方がいいのか)を少量加えるとさらにエキゾチック感も旨味も倍増です。バインセオもそうだけど、既存のジャンル内に収まりそうなUI(ユーザインタフェース)をしていながら、UX(ユーザ体験)的には全く別物という食事がベトナム料理には多い気がしますね。そういえばフォーもラーメンでもうどんでもない独自の麺類。